何かを数えている女の霊がいると聞き、東京アカリと神奈川スミレは現地に向かう。霊は自分を虐げた家を祟って滅ぼした後、井戸の中に住んでいたという。マフラーは首の断面を隠すためのものらしい。スミレは彼女に自分に近いものを感じ、面倒を見ることにした。
「さつまいもがひい、ふう、みい、よう・・・ ・・・ひとつ足りない・・・ あああぁぁぁ・・・」
「無くなったさつまいも・・・結局後から見つかったんですよ・・・馬鹿みたいでしょう?あはは・・・は・・・」
「さつまいもって・・・今はこんな簡単に手に入るんですか・・・私も明治に生まれれば良かったなあ・・・」
>神奈川スミレ
「私の他にも、同じような目にあった人がいると聞いて安心しました・・・でもスミレさんはまだいいですよ・・・お父上に愛されたんですから・・・」
本名「おいま」
さつまいもが貴重だった頃、倉敷のある金持ちの家でさつまいもが一個なくなった。下女のおいまは無実を訴えるも折檻された。おいまの父は娘が疑われたことを恥じ、娘を殺してその首を主人に差し出し、自分も切腹する。その後井戸からおいまの霊が現れ主人を狂い死にさせ、その家は絶えてしまったという。
◆参考資料
「日本怪異妖怪事典 中国」笠間書院