仮住まいとするために、廃城となった城に来た福島ヒメカ。しかし霧と風に阻まれ入れない。兵庫レイコとその軍勢と共に攻め入り、城を守護していた妖怪を捕らえる。事情を説明すると納得し、ヒメカが一時的に住むことを許可してくれた。普段は井戸の中にいて、呼ばないと出てこない。
「時代の流れとはいえ・・・この城が壊されていくのは耐え難いでござるな・・・拙者は何のために今まで・・・」
「何、拙者の正体が人柱となった娘ではないかと?仮にそうだとしても拙者は忍びの者、正体は秘密なのでござる。忍々」
「ぬっ、この人ならざる面妖な気配、さては物の怪か?残り僅かとはいえこの城を魑魅魍魎の巣にはさせぬぞ!忍法城ごと霧隠れの術ーーーッ!!」
>福島ヒメカ
「住む城を失う悲しみは、拙者も同じ。ヒメカ殿が大事に使ってくれるのならば、拙者も異存はないでござる」
本名「ヤナ」
川越城の堀の主である蛇女。敵が攻めてくると霧と風を吹き洪水を起こすという。霧を吹いて城を隠す「霧吹きの井戸」、城を完成させるため人柱となった「世禰(よね)姫」、「およね」が入水した遊女川、といった川越城の伝説と関係があると思われる。
◆参考資料
「妖怪事典」毎日新聞社
「日本怪異妖怪事典 関東」笠間書院