長い髪を引きずって徘徊する謎の幼女。よく好物の柿の葉を拾い集めている。おとなしい性格で人を襲うこともないが、見た者を戦慄させる。このままではいずれ退治されてしまうと考えたクレハは、彼女を連れ帰って保護することにした。今は島根レナが面倒を見ている。
「かきのは いっぱい ひろった。 いちまい あげる」
「んがっ かみ ふまないで」
「わたしの なまえ? わからない。 じゃあ あなたが つけて」
>島根レナ
「ほかのこ こわい。 でも あなたが まもって くれるなら」
>北海道チセ
「とても おおきな はっぱ。 ゆうかも ほしい」
>鳥取ミサ
「いろんな いろの はっぱ きれい。 もらっても いい?」
「岩邑怪談録」より「柿の葉の化物」。ある家の下女が、夜更けに石橋の上で幼い女の子に出会った。その子は身長の倍以上もある髪を引きずって、柿の葉を拾っていた。下女は逃げ帰った後、皆に化け物を見たと話したが、もう夜に出歩くことはできなくなったという。
◆参考資料
「日本怪異妖怪事典 中国」笠間書院